【京味(閉店)】追悼 西健一郎氏「食する幸せ、料理する幸せ」 希代の料理人
神様・西健一郎
令和元年7月26日、
尊敬する京味亭主・西健一郎氏が逝去されました。
故人の遺志により京味の存続はなく
12月28日をもって閉店となりました。
哀悼の意を表して思いつくままに綴ってみました。
生前は店内での写真撮影が禁止だったので
こっそり撮影(笑)していたものも含めて
アップします。
西健一郎氏は1937年8月8日に
元老・西園寺公望のお抱え料理人として有名な
西音松の4男として生まれました。
音松の跡を継ぐはずだった兄が他の道を志したため
父親に命じられて17歳の時、京都・たん熊で修業を開始。
持ち前のセンスで頭角をを現し、
30歳で東京・新橋に自分の店「京味」を構える。
店名の「京味」は裏千家15代家元 千玄室。
京味でなんとっても思い出に残るのが”はらすご飯”。
家でいくら真似しても出なかった味。
実は新潟の「山上商店」(閉店)のはらすを使っていた。
しかも普通の鮭ではなく
オオスケ、つまりキングサーモンのはらすだった。
美味いはずだ。
その山上商店もキングサーモンの不漁に加え
納得いく鮭が取れなくなったことを理由に
8月いっぱいで店舗営業を停止。
県外のお得意様向けに年内一杯は営業。
まるで京味に合わせて閉店するかのよう。
京都の食材に拘り、東京にある京料理の草分け。
「美味しいものを腹いっぱい」
京味の帰りにラーメンを食べるようじゃだめだ、と
いつも腹いっぱい出してくれる。
定番の根芋の吉野煮
生姜が利いて旨い!
何度食べても飽きない味。
香箱蟹
雲子の塩焼き
西さんは美味しんぼには何度か登場しており、
主人公・長岡のアドヴァイザー的な役割で登場している。
店内の描写が実物と同じ。
鱧と松茸の印籠巻き
白魚の天ぷら
何気ない料理が美味い、
単純な料理ほど難しい。
明石の鯛
前の日に獲れた真鯛をすぐに絞めずに
一晩生かした物で、西さんは、
「一夜活け」と言ってたなぁ~
こんな鯛は京味にしかない。
独立した弟子の某氏が
「うちの鯛は大将(京味)んとこの鯛と同じ」と
自慢げに話してましたが、
同じ明石の鯛でも味わいは全然違う。
美味しいのだが、京味に送るものと
同じものを送るわけがない。
甘鯛(ぐじ)のお椀
西さんの本にサインをもらうと
いつも書いてくれるのが
「食する幸せ 料理する幸せ」
一番好きな言葉だそうです。
葛切り
ぜんざい
蕨餅
お土産のはらすご飯・・・
キングサーモンのはらすがこんなに。
めっちゃ美味い!
知り合いにしか作らなかった弁当
知人に譲ってもらいました。
垂涎のおせち料理。
写真は二人前15万円。
大人数用もあるらしい。
こんなお節だったら最後まで飽きずに食べますね。
京味の技を続けるのは
星野さんか金森さんか・・・
期待してます。
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京味(キョウアジ)
住 所 :〒105-0004 東京都港区新橋3丁目3−5
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